ざっくり解説 - 着物の染色工程《第二回

2021年05月23日

皆様こんばんは。
本日も着物の染色工程をざっくり解説していこうと思います。前回は「白黒草稿」までの工程を解説しましたので、今回はその次の工程「型彫り」までを進めていきます。



 1. 型彫り準備

白黒草稿が終わったら型彫りの準備をします。 今回は トレース紙に写した白黒草稿を計18枚の型紙に分割して掘っていきます。 まずは型紙の大きさを測り、分割するサイズを決めて型紙に印をつけていきます。 その後、型紙に合わせて白黒草稿を切り、型紙に貼り付けたら準備完了です!

私の場合、いつも型紙の枚数が多いので間違わないように番号をつけています。 




2. 型彫り

 型紙の準備が整ったら、型彫りに入ります。 私は大きく分けて2通りの方法で型を彫ります。

 ①突き彫り(つきぼり)古典風 古典紅型の型彫りで用いられる方法です。 るくじゅうと呼ばれる豆腐を半年ほどかけて発酵させ硬くしたものを下敷きにし、しーぐ と呼ばれる小刀で少しずつ型を掘り進める方法。 細かいところまで綺麗に彫れますが、とても時間がかかります。

  ②引き彫り(ひきぼり)現代風 デザインカッターとカッターマットを使って型紙を掘る一般的なやり方です。 細かいところは①の付き彫りほど綺麗に彫れませんが、あまり時間がかかりません。

 今回、私は細かいところを①の付き彫りで彫り、大きな柄のところを②の引き彫りで彫っていきます。 
また、型紙を彫るときにも気をつけないと それまでの工程で合わせた柄合わせがずれてしまいます。型紙は一度彫ってしまうともう修正できないので、柄合わせや他の型紙との繋がりに最新の注意を払い、丁寧に彫っていきます。大きい型紙が18枚ほどあるので、この作業にも約1か月ほどかかります。


突き彫りの様子
突き彫りの様子
彫り終わった型紙の図
彫り終わった型紙の図

さて、本日はここまでです、今回も動画を用意していますので参考までにご覧ください。
型彫りの時は余裕がなくて序盤の彫りはじめしか映像を取れてないので、申し訳ないです。

それでは、本日もここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございます。

根路銘まり